町の人々による創作物を通して、連綿と続く神田祭の歴史や時代の変遷を辿ります。変容する町・東京の中心部にありながら、江戸時代から明治、大正、昭和、平成と地域社会が受け継いできた祭礼文化を、貴重な記録写真・映像とともに振り返ります。
「御仮屋」(おかりや)とは、お祭りの期間にのみ造られ、神輿渡御の際に御神輿が一時的に休まれる「仮の宮」のこと。現在では見ることの少なくなった木造の御仮屋を赤坂新三町会から引き受け、ウッドデッキに再建します。通常は あまり入ることができない御仮屋の内部や細部にわたる職人技をご堪能ください。
祭衣装にかかせない手ぬぐいは、毎年町会ごとに色や文様もさまざまなデザインが施されています。神田祭の氏子各町の手ぬぐいが一堂に展示された1階コミュニティスペースでは、お祭りのにぎやかな雰囲気を体感して頂けます。3331が所属する神田五軒町々会の御神輿や子ども神輿も5月10 日(金)まで特別に展示します。
江戸末期から明治の祭の様子が克明に描かれた「神田明神祭礼図巻」(神田明神所蔵)は、2013年4月に千代田区指定有形文化財(絵画)に認定されました。今回は、高性能スキャンによる高い再現性で原寸複製した本図巻の一部を展示します。
*画像は全て参考画像
滝口正哉 たきぐち・まさや
成城大学・立正大学 非常勤講師。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。立正大学大学院文学研究科博士課程満期退学。博士(文学)。千代田区立日比谷図書文化館文化財調査指導員を経て現職。専門は近世都市史・文化史。 著書に『千社札にみる江戸の社会』(同成社)、『江戸の社会と御免富─富くじ・寺社・庶民─』(岩田書院)、『江戸の祭礼と寺社文化』(同成社)。